2023年9月に、自作のGodot Engine向けLive2D拡張の公開方法についてご相談させていただいたのですが、その後の状況に変化がありましたので、改めて質問をさせていただきます。
要望とはまた違う気がしますが、適切な場所がありませんでしたのでこちらに記載致します。
現在Cubism Native SDK + Cubism Native Frameworkを使用したGodot Engine 4.1向けのGDExtension(※本体の再ビルドなしに組み込める機能拡張モジュール)を開発しています。Cubism Native SDKが想定している描画システムとは差異があるため、…
現在このライブラリ(GDCubism )は上記で回答して頂いた内容に従いソースコードで提供されています。そのため、利用希望者は個々でCubism SDK for Nativeを個別に入手して、ビルドを行なってもらっています。
GitHubに公開後に感じたのは、Godot EngineでLive2Dモデルを動かしたいと考えている人が案外存在しているという事でした。ですが、そういった方の中にはコンパイル環境の整備やビルドを自力で行うのは難しく、断念されてしまう方もおられるようでした。
そこで、以下の点についてご相談させていただきます。ビルドの労力を軽減するため、Cubism SDK for Nativeに同梱されているDLLを適切な場所に配置することで動作可能となるビルド済みバイナリの提供を行うというのは可能でしょうか。
説明図(Windows版を想定)
この方法であれば、利用者が個々でビルドせずともバイナリを入手できる様になります。
そして、実際に動かしたい人は、このバイナリを入手した上でLive2Dの公式サイトへアクセスして、規約に了承したうえでCubism SDK for Nativeをダウンロードし、同梱されるDLLを所定の場所に配置してもらうことになります。
なお、ビルド済みバイナリは、GitHubのリポジトリには含めず、リリースごとのAssetsに添付する予定です。この理由はgit管理にしてしまうと削除が困難となるためであり、何らかの理由で公開を停止する必要が生じた場合でも対応しやすくするためです。
とはいえ、この方法で提供するバイナリはどうしても以下の内容が含まれてしまいます。
DLLの読込処理
固有のシンボル名称・インラインコード
Cubism SDK for Nativeに含まれているCubism Native Frameworkのビルドバイナリ(ソースコードで提供されているため)
3はGitHubで提供されているものと同じものに見受けられますが、明示的にGitHubで提供されているCubism Native Frameworkを使用する形に修正することが可能です。
GitHub - Live2D/CubismNativeFramework: [Notice of End of Support for Cocos2d-x] With the upcoming release of Cubism 5 SDK for Native R2, support for Cocos2d-x will be ended.
今回のこの質問をしたのは、ビルドプロセスの拡張やGitHubで動作するワークフローファイルを配布する方法についても検討した際に、自分達が考えた方法ではどうしても以下の懸念が生じてしまうためでした。
技術的に可能であっても、御社が望まない形でSDKが入手出来る方法では問題がある。
GDCubismの利用者が、SDKの利用規約を理解せずにバイナリを入手してしまう。
意図しないSDKの二次転載が発生してしまう可能性を生み出してしまう。
もし本件に関する正式な回答が難しい場合、保留やご返信をいただかなくても問題ございません。その際は、従来どおりにGitHubでのビルドサポートを継続してまいります。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
【謝辞】
趣味で作ったGDCubismが思っている以上に反応があったことに驚いております。
これはひとえに、Live2Dが「絵を動かす」という魅力的な世界を創り出されたからこそ、多くの方が私のライブラリにも興味を持ってくださっているのだと感じています。
いつの日か、Godot Engine向けの公式ライブラリが登場することを楽しみにしております。
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Tak
2025 年 4 月 7 日午前 7:35
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@MizunagiKB 様
いつも弊社製品をご愛顧のほど誠にありがとうございます。
Live2D スタッフのTakでございます。
日々GDCubismの開発ありがとうございます!開発スタッフも内容を時折確認しております。
また利用者が想定より多いとのことで、メンテナンスもお疲れ様です。
ご相談いただきましたSDK for Nativeを絡めたライブラリの配布掲載について回答いたします。
結論として、画像内の図「実現したい提供形式」での配布は弊社として問題ございません。
ただし懸念を解消するため、利用ユーザーに対し必ず弊社利用許諾契約書の確認及び同意の案内をお願いできればと思います。
提供・利用フローを以下のように解釈しております。
GDCubismの提供に関して、今後以下の様に整備し、ユーザーに提供したい
GDCubismのソースコード及びCubism SDK for Native Frameworkのソースコードを組み合わせてビルドし、バイナリ(以下①)としてユーザーに提供する
GDCubismを利用したいユーザーは①及びCubism SDK for Nativeパッケージをダウンロードし、Cubism SDK for NativeパッケージからCubism Coreライブラリファイルを①が参照できるように抜き出し、配置
実際に利用する
※間違い等ございましたらご指摘ください。
上記の解釈でしたら、弊社SDK製品で定めているLive2D Proprietary Software License およびLive2D Open Software License に則っていると考えております。
次にご懸念にございます点につきまして回答いたします。
前提としてCubism SDKを利用するユーザーはいずれの製品でも、必ず使用許諾契約書を一読いただき同意のうえ利用いただく ことをお願いしております。
1
「御社が望まない形」が使用許諾契約書が確認できないルートがある、という解釈でお話いたします。
使用許諾契約書は弊社HPやGitHubのLICENSE.md にございますが、Cubism Coreについては製品パッケージのみ封入されており、弊社GitHubリポジトリには存在しないため使用許諾契約書が確認できないルートは存在しないと考えております。
今回の「実現したい提供形式」では引用の通り、Live2DCubismCore.dllが必要な際にその様なルートを取っている(利用ユーザーが必ず公式HPからダウンロードする)と見られるため、問題はないと認識しております。
2
バイナリ利用時につきましては、必ずREADME.mdなど目に付く箇所に弊社使用許諾契約書のご案内を掲載していただく等、極力SDKの利用規約を理解せずに利用することがないようお願いしております。
しかし【1】にてバイナリを動かす際に必要なLive2DCubismCore.dllを取得する際に確認できるフローとなる解釈ですので、GDCubismを利用する際には必ず確認いただくものになっているかと存じます。
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こちらはLive2D Prorietary Software License 「5. 再配布可能コード」にございます通り、利用した派生作品や出力ファイルを、エンドユーザーが使用できるようにするための目的に限り条件に従い再配布を許可しておりますため、利用ユーザーはSDKの利用規約を理解、同意している手前利用ユーザー側でご留意いただきたいと考えております。
よって、 @MizunagiKB 様側ではCubism SDKを使用許諾契約書の確認、同意がないままユーザーに利用いただかないよう、お手数ではございますがREADMEやマニュアルなど目のつきやすい箇所に「Cubism SDKを利用する際にはLive2D社で定める使用許諾契約書の確認、同意が必要」といった案内の記載をお願いできればと思います。
そのうえでご提案いただいた配布方法での提供は問題ございません。
長文となり大変恐縮ではございますが、ご確認いただけますと幸いでございます。
丁寧な回答ありがとうございます。
Godot EngineでLive2Dを動かしたい人にとって、個々でビルドをしてもらうのはかなり敷居が高いものでした。
Cubism SDKの入手は元々必要なものでしたので、ビルドが不要になれば相当に敷居が低くなりそうです。
ワークフローについて
回答もありがとうございます。
こちらは、Live2DというよりもGitHubの仕組みや考え方(技術的に手間を掛ければ誰かの役に立つ・出来てもやるべきではない)に関する議論も含まれているため、フォーラムの趣旨からはだいぶずれてしまうと考えて、経緯の説明として記載致しました。
そのため要領を得ない記述となってしまっていたのですが、ひとつひとつ丁寧に回答していただけて非常に助かります。考える上での参考にさせて頂きます。
READMEや使用許諾契約書について
GDCubismはビルドが必要な事もあり、READMEやこちらで用意しているドキュメントを読む過程で使用許諾契約書を目にして貰えていると思います。
ビルド済みバイナリについてはREDMEへの追記と新たにセットアップ方法に関してのドキュメントを用意しますので、それらにCubism SDKの使用許諾契約書の確認と同意に関する案内を記載するように致します。
改めて返信ありがとうございました。
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